【FP2級】公的年金について#08

FP2級

こんにちは、Canaです。

前回は、年金制度・国民年金(基礎年金)・公的年金の給付について解説しました。

今回は、公的年金について紹介していきます。

老齢給付① 老齢基礎年金

①受給資格と年金額

受給資格受給資格期間が10年以上の者が65歳になったときから
※保険料納付済期間と保険料免除期間等を合算した期間
年金額満額で780,900円(2021年度)
ただし、免除期間等がある者はこれより少なくなる

【年金額の計算例】

・保険料納付済期間:38年(456ヵ月)

・学生納付特例期間(追納なし):2年(24ヵ月)

780,900円×456ヵ月/456ヵ月+24ヵ月=741,855円

学生納付特例期間は年金額には反映されないよ~

②繰上げ受給と繰下げ受給
繰上げ受給繰下げ受給
概要65歳よりも早く年金の受取りを開始すること65歳よりも遅く年金の受取を開始すること
受取開始年齢60~64歳66~70歳
年金額減算
⇨繰り上げた月数×0.5%
加算
⇨繰り下げた月数×0.7%
③付加年金

第1号被保険者は、任意で月額400円を上乗せして納付することで、「200円×付加年金の納付月数」が老齢基礎年金に加算されます。

なお、付加年金は国民年金基金との併用はできません

◆老齢基礎年金の繰下げ受給の申し出をした場合、付加年金の額も繰下げによって増額されます。

老齢給付② 老齢厚生年金

①概要
②特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げ

特別支給の老齢厚生年金は、支給開始年齢が生年月日により段階的に引き上げられており、最終的には65歳からの老齢厚生年金のみとなります。

なお、女性は男性よりも5年遅れで引き上げられます。

③老齢厚生年金の繰上げ受給と繰下げ受給
繰上げ受給繰下げ受給
受取開始年齢60~64歳66~70歳
年金額減算
⇨繰り上げた月数×0.5%最大30%
加算
⇨繰り下げた月数×0.7%最大42%
老齢基礎年金との関係老齢基礎年金の繰上げと同時に行わなければならない老齢基礎年金の繰下げと別々に行うことができる
④加給年金
納付期限
受給要件厚生年金の加入期間が20年以上あり、生計を維持する65歳未満の配偶者または18歳到達年度の末日までの子がいること
加給年金額配偶者⇨224,700円
子  ⇨第1子・第2子は各224,700円、第3子以降は各74,900円
振替加算加給年金が配偶者が65歳に到達すると支給が停止され、その後は配偶者の生年月日に応じた金額が配偶者の老齢基礎年金に加算される
⑤在職老齢年金

在職老齢年金は、60歳以降も企業で働く場合の老齢厚生年金です。給与等の金額に応じて老齢厚生年金が減額されます。

年齢減額調整される条件
60~64歳給与等+年金月額>28万円のとき
65~69歳給与等+年金月額>47万円のとき
70歳以降給与等+年金月額>47万円のとき
⑥離婚時の年金分割

離婚した場合、夫婦間の合意または裁判所の決定により、婚姻期間中の厚生年金を分割することができます。

分割割合夫婦で決定
※上限は1/2
分割の請求期限離婚をした日の翌日から起算して2年

【障害給付】障害基礎年金・障害厚生年金

障害給付は、病気や怪我によって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができる年金です。

【遺族給付】遺族基礎年金・遺族厚生年金

遺族給付は、被保険者または被保険者であった者が亡くなったときに、その者によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。

遺族基礎年金遺族厚生年金
受給対象者生計を維持されていた子のある配偶者または
【子の要件】原則18歳到達年度末までの子
生計を維持されていた、18歳到達年度末までの子・孫55歳以上の夫・父母・祖父母
受給要件【原則】公的年金の加入期間の2/3以上について保険料が納付または免除されている
【特例】直近1年間に保険料の未納がない
・被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき
・老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき
・1級、2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したとき
年金額780,900円+子の加算額老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4相当額
・被保険者期間が300月未満の場合は300月とみなして計算される
・子のない30歳未満の妻の支給期間は最長5年
・子のある配偶者と子は遺族基礎年金も併せて受給可
その他の給付寡婦年金と死亡一時金
いずれか一方選択
寡婦年金のポイント】
対象:10年以上の婚姻期間があり、夫の死亡当時65歳未満である
・受給期間:妻が60~65歳まで
中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算
中高齢寡婦加算のポイント】
夫の死亡当時、40歳以上65歳未満の子のいない妻、または40歳以上65歳未満で子があっても遺族基礎年金を受け取ることができない妻

併給調整

1人の人が複数の年金受給者となる場合、いずれか1つの年金を選択しなければなりません。これを併給調整といいます。

ただし、同種の基礎年金と厚生年金は併給できるなどの例外もあります。

老齢厚生年金障害厚生年金遺族厚生年金
老齢基礎年金×
障害基礎年金
遺族基礎年金××
〇:併給可能 ▲:65歳以上の場合は併給可能 ×:併給不可

なお、65歳以上の場合、遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給も可能となりますが、その場合、遺族厚生年金が老齢厚生年金を上回る部分の金額が遺族厚生年金として支給されます。

障害基礎年金だけ条件を満たせば老齢・障害・遺族厚生年金と併給ができるんだね~

次回は、企業年金・中小法人の資金計画について解説します。

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