こんにちは、Canaです。
前回は、損害保険の基本について解説しました。
今回は、損害保険の種類について紹介していきます。
傷害保険
傷害保険とは、日常生活における怪我等にかかわる損失を補償することを目的とする保険です。主な傷害保険は以下のとおりです。
普通傷害保険 | 国内・国外を問わず、家庭内・職場内・通勤途上・旅行中など、日常生活におけるほとんどすべての事故による傷害を補償する保険。 ※病気、細菌性食中毒、自殺、地震等を原因とする傷害は対象外 |
家族傷害保険 | 普通傷害保険の対象範囲を家族まで広げた保険 ※本人のほか、配偶者、生計を一にする同居親族および別居の未婚の子も被保険者となる。 ★保険期間中に生まれた本人の子も被保険者となる |
交通事故傷害保険 | 国内・国外を問わず、交通事故および建物または乗り物の火災等による傷害を補償する保険 |
国内旅行傷害保険 | 国内旅行中の傷害を補償する保険 ※細菌性食中毒も補償の対象となるが、地震などによる傷害は対象外 |
海外旅行傷害保険 | 海外旅行中(家を出てから帰宅するまで)の傷害を補償する保険 ※細菌性食中毒、地震・噴火・津波による傷害も補償の対象 |
賠償責任保険
賠償責任保険は、偶然の事故により、第三者に対する法律上の賠償責任を負ったときに補償する保険です。
個人賠償責任保険 | 日常生活における偶発的な事故によって、他人に怪我をさせたり、他人の物を壊したことにより負う賠償責任を補償する保険 ※家族(生計を一にする同居親族・別居の未婚の子を含む)も補償対象 ※補償対象外⇨業務遂行中の事故、自動車の運転による事故、他人から借りた物を誤って破損する事故、地震・噴火・津波により生じた損害 |
生産物賠償責任保険(PL保険) | 企業が製造・販売した商品などによる事故で、損害賠償責任が発生した場合に補償する保険 |
施設所有(管理)者賠償責任保険 | 施設の安全性の維持・管理の不備や、業務遂行に起因する対人・対物事故について、施設所有(管理)者の損害賠償責任を補償する保険 |
受託者賠償責任保険 | 他人から預かった物に対する賠償責任を補償する保険 |
請負業者賠償責任保険 | 請け負った業務の遂行中に生じた賠償責任に備える保険 |
その他の損害保険
所得補償保険 | 病気や怪我により就業不能になった場合に保険金が支払われる保険 |
労働者災害総合保険 | 労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的とする保険 |
企業費用・利益総合保険 | 災害や事故等による利益の減少等に備える保険 |
機械保険 | 所有する機会が操作ミス等により故障した場合の損害を補償する保険 ※火災等による損害は対象外 |
損害保険と税金
①個人の損害保険と税金
(a)個人事業主が支払った損害保険料
個人事業主が支払った損害保険料は、事業所得の金額の計算上、必要経費として処理することができます。
ただし、店舗併用住宅を保険の対象とする場合、事業の用に供している部分に係る保険料のみ必要経費として処理できます。
(b)地震保険料
その年(1月1日~12月31日)に支払った地震保険料は、地震保険料控除として、その年の所得から控除することができます(所得税は最高5万円、住民税は最高2.5万円)。
保険期間が1年超える長期契約で、保険料を一括で支払った場合、支払った額を保険期間の年数で割った金額が毎年の控除の対象となります。
店舗併用住宅を保険の対象とする場合、居住用部分に係る保険料のみが控除の対象となります。
(c)保険金等を受け取ったときの税金
損害保険にかかる保険金は、原則として非課税です。
ただし、死亡保険金、満期返戻金・解約返戻金、毎年受け取る給付金(年金)については、生命保険と同様の扱いとなります。
②法人の損害保険と税金
(a)法人が支払った損害保険料
法人が支払った損害保険料は、損金の額に算入することができます。ただし、積立部分に係る保険料は資産計上します。
(b)保険金等を受け取ったときの税金
法人が保険金等を受け取った場合、原則として益金に算入され法人税の課税対象となります。
ただし、保険料が資産計上されている場合は、保険金から資産計上額を差し引くことができます。
また、火災等により事業用の固定資産(建物など)に損害が生じたことにより受け取った保険金で、同一事業年度に代替の固定資産を取得した場合、所定の要件に基づき圧縮記帳が認められます。
なお、法人に保険金の出入りがない場合は経理処理は不要です。

たとえば、業務中の事故で従業員が死亡して、普通傷害保険の死亡保険金が保険会社から従業員の遺族へ直接支払われた場合、法人は経理処理しないよ~
第三分野の保険とは
生命保険(第一分野の保険)と損害保険(第二分野の保険)のいずれにも属さない種類の保険を第三分野の保険といいます。
医療保険
医療保険は、病気や怪我による入院・通院や手術に備える保険です。
ポイント |
◆1入院あたりの支払限度日数(60日・120日など)がある。 ⇒前回の入院の退院日翌日から180日以内に同じ病気により開始した入院は、1回の入院とみなされる ◆更新型の医療保険は、所定の年齢等の範囲内であれば、保険期間中に入院給付金を受け取ったとしても、契約を更新することができる。 ◆正常分娩や美容整形に伴う手術、人間ドック等の治療を目的としない入院は補償の対象外 |
がん保険
がん保険は、補償の対象をがんに限定した保険です。
ポイント |
◆一般的に責任開始日から90日間(3か月間)程度の免責期間がある。 ◆入院給付金の支払日数は無制限 |

免責期間とは、がん保険に加入した後でも補償が受けられない期間のことだよ~
次回は、金融資産運用の基本について解説します。