こんにちは、Canaです。
外貨建て金融商品・デリバティブ取引について解説しました。
今回は、ポートフォリオ理論・金融商品と税金について紹介していきます。
ポートフォリオとは
ポートフォリオとは、所有する資産の組み合わせのことで、安定した運用のために正確の異なる複数の金融資産に分散投資することをポートフォリオ運用といいます。
また、資金を複数の異なる資産(株式・債券・不動産など)に配分して運用することをアセットアロケーションといいます。
期待収益率とリスク
①期待収益率
期待収益率とは、ある資産に投資したときに得られる平均的な収益率といいます。
予想されるシナリオとそのシナリオが発生する確率を決めて、それぞれの予想収益率を加重平均することで求めます。
【例】各シナリオにおけるA証券から得られる予想収益率と確率が次のとおりであった場合、期待収益率は…
シナリオ | 予想収益率 | 生起確率 |
好況 | 7% | 30% |
普通 | 3% | 50% |
不況 | △5% | 20% |
③リスクの低減効果と相関係数
投資においてリスクとは、利益や損失が発生する程度の不確実性をいい、リスクを測る指標に分散や標準偏差があります。分散や標準偏差が大きいほどリスクが大きく、小さいほどリスクは小さいとされます。
ポートフォリオのリスクを低減させるためには、組み合わせる資産の値動きができるだけ異なる方が好ましいとされます。
資産同士の値動きの相関関係をみるときは相関係数を用います。相関係数は、次のように‐1から+1までの数値で表されます。
相関係数:-1 | 相関係数:0 | 相関係数:+1 |
値動きが全く逆になる (負の相関) | 値動きに全く関係がない | 値動きが全く同じになる (正の相関) |
リスク低減効果が最大 | - | リスク低減効果はない |
ポートフォリオの構成銘柄数の増加とともに分散投資の効果によりリスクが低減するが、構成銘柄数が一定数まで増えると、それ以降は構成銘柄数を増やしてもリスクはほとんど低減しなくなってきます。
分散投資によって除去できるリスクを非システマティックリスクといい、分散投資によっても除去できないリスクをシステマティックリスクといいます。
④シャープレシオ
シャープレシオとは、投資の効率性を示す指標であり、値が大きいほど効率的な運用であったと判断されます。
シャープレシオ=ポートフォリオの収益率-無リスク資産の収益率/ポートフォリオの標準偏差 |

無リスク資産というのは、預貯金のように元本が保証された資産のことだよ~
預貯金・債券・株式
①預貯金と税金
預貯金の利子は、利子所得として課税され、原則として20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)の源泉分離課税となります。
②債券と税金


特定公社債等の申告分離課税では、上場株式等の譲渡損益等と損益通算ができるよ~
一般公社債等の申告分離課税では、一般株式等の譲渡損益と損益通算ができるよ~
③株式と税金

NISA
①一般NISA
NISAとは、2014年から導入された少額投資非課税制度をいいます。
非課税対象 | 上場株式・株式投資信託・ETF・REITの譲渡益や配当金 ※国債や公社債、公社債投資信託は対象外 ※配当金を非課税扱いにするためには、配当金の受取方法として株式数比例配分方式を選択しなければならない |
非課税投資枠 | 毎年120万円まで |
非課税期間 | 5年間 |
対象者 | 日本国内に住んでいる20歳以上の者 |
ポイント | ・非課税であるため、確定申告は不要 ・NISA口座で生じた損失は、特定口座や一般口座で生じた利益との損益通算や繰越控除はできない ・非課税枠の未使用分を翌年に繰り返すことはできない ・特定口座や一般口座で保有する株式等をNISA口座に移管することはできない ・1年ごとに金融機関を変更できる |
投資信託と税金
投資信託から生じた分配金、償還差益等には税金が以下のように課されます。


特別分配金などETFは全額が課税対象だよ~
次回は、所得税の仕組みについて解説します。