こんにちは、Canaです。
前回は、投資信託について解説しました。
今回は、外貨建て金融商品・デリバティブ取引について紹介していきます。
外貨建て金融商品の基本
①外貨建て金融商品とは
外貨建て金融商品とは、取引価格が外貨建て(米ドル、ユーロなど)で表示されている金融商品をいいます。
②為替レート
TTS (Telegraphic Transfer Selling Rate) | 円を外貨に換えるときの為替レート (銀行が外貨を売るときの為替レート) |
TTB (Telegraphic transfer Buying Rate) | 外貨を円に換えるときの為替レート (銀行が外貨を買うときの為替レート) |
TTM (Telegraphic Transfer Middle Rate) | 銀行が顧客と外国為替取引を行う際に基準となるレート(仲値) |
③為替リスク
為替変動リスクとは、為替レートの変動により、外貨建て金融商品の価値が変動する可能性のことをいいます。
また、為替レートの変動によって生じた利益を為替差益、損失を為替差損といいます。
④円高と円安
円高 | 円安 | |
定義 | 円高とは、円の他通貨に対する相対的価値が高い状態のことをいう | 円安とは、円の他通貨に対する相対的価値が低い状態のことをいう |
為替差益・為替差損との関係 | 例)1ドル100円のときに10ドルを購入し、その後、円高となり、1ドル80円のときに10ドルを売却した場合、為替差損が生じる ◆購入時に支払った日本円 1,000円 ◆売却時に受け取った日本円 800円 ◆売却時に生じる為替差損 ▲200円 | 例)1ドル100円のときに10ドルを購入し、その後、円安となり、1ドル110円のときに10ドルを売却した場合、為替差損が生じる ◆購入時に支払った日本円 1,000円 ◆売却時に受け取った日本円 1,100円 ◆売却時に生じる為替差益 +100円 |
主要な外貨建て金融商品
外貨預金 | 外貨で行う預金 ・預金保険制度の対象外 ・利息は利子所得、為替差益は雑所得 |
外国債券 | 発行市場、発行体、通貨のいずれかが外国である債券 |
外国投資信託 | 外国の法律に基づき設定された投資信託 代表的なものに外貨建てMMFがある 【外貨建てMMFの特徴】 ◆格付けの高い短期債券等を中心に運用される ◆株式は組み入れられていない ◆購入・解約手数料は無料 ◆毎日運用実績に応じた分配が行われ、その月の分配金を月末にまとめて元本に再投資する1ヵ月複利の商品 |
デリバティブ取引とは
デリバティブ取引とは、債券・株式などの金融商品から派生した金融商品を扱う取引をいいます。
デリバティブ取引の種類
①先物取引
先物取引とは、将来の一定時点に特定の商品を一定の価格で一定の数量を売買することを約束する取引をいいます。
②スワップ取引
スワップ取引とは、金利や通貨から生じるキャッシュフロー(お金の流れ)を交換する取引をいいます。
スワップ取引には、通貨スワップ(異なる通貨間の元本と金利を交換する取引)や金利スワップ(変動金利と固定金利を交換する取引)があります。
③オプション取引
オプション取引とは、将来の一定時点に特定の商品を一定の価格で売買する権利を売買する取引をいいます。
・買う権利をコール・オプション、売る権利をプット・オプションといいます。
・権利行使がオプション満期日に限定されているタイプをヨーロピアンタイプ、いつでも権利行使できるタイプをアメリカンタイプといいます。
・買い手は権利を放棄することができる一方、売り手は買い手が権利を行使したら取引に応じなければなりません。
・買い手の損失は支払ったプレミアム(オプション料)に限定され、利益は無限定です。
売り手の利益は受け取ったプレミアム(オプション料)に限定され、損失は無限定です。
◆オプションプレミアムの変動要因


ヨーロピアンタイプとアメリカンタイプという名称は、ヨーロッパの人が複雑なモデルを理解できるといったジョークで、実際には地域差はないし、計算モデルは違うけど対した違いがないみたいだよ~
次回は、ポートフォリオ理論・金融商品と税金について解説します。