こんにちは、Canaです。
前回は、課税標準の計算、所得控除について解説しました。
税額の計算と税額控除・所得税の申告と納付について紹介していきます。
税額の計算
課税所得金額に税率を掛けて所得税額を計算します。
①総合課税される所得に対する税額
総合課税される所得から所得控除額を差し引いた金額である課税総所得金額に、超過累進税率による税率を適用して税額を計算します。
超過累進税率とは、課税所得金額が多くなるにつれて高い税率が適用される課税方法で、実際の税額計算では速算表を用います。

②分離課税される所得に対する税額

税額控除
所得税額から税額控除額を差し引いて、申告税額を計算します。
①配当控除

②受託借入金等特別控除(住宅ローン控除)
住宅ローンを利用して住宅を取得した場合などに受けることができます。

復興特別所得税
東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するため、復興特別所得税が創設されました。
復興特別所得税=所得税額×2.1%
確定申告
①確定申告
納税者が自ら所得税額を計算して申告・納付することを確定申告といいます。
確定申告期間は所得が生じた年の翌年の2月16日から3月15日までです。
給与所得者で確定申告が必要な場合 |
・給与等の収入金額が2,000万円を超える場合 ・給与を2か所以上から受けている場合 ・給与所得、退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合 ・住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受ける場合(初年度のみ) ・雑損控除、医療費控除、寄付金控除の適用を受ける場合 ・配当控除の適用を受ける場合 |
公的年金受給者で確定申告が不要な場合 |
公的年金の収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合 |
②準確定申告
納税者が死亡した場合、相続人が変わりに確定申告を行います。これを準確定申告といいます。準確定申告は相続のあったことを知った日の翌日から4か月以内に行います。
源泉徴収
①源泉徴収とは
源泉徴収とは、給与等の支払者(会社等)が税金を給与等から差し引くことをいいます。
②年末調整とは
年末調整とは、給与等の支払者が源泉徴収した所得税を再計算し、精算することをいいます。年末調整の際に所定の書類を提出することで、生命保険料控除や地震保険料控除の適用を受けることができます。
青色申告
申告とは複式簿記に基づき取引を記録し、その記録をもとに所得や所得税を計算して申告することをいいます。なお、青色申告以外の申告を白色申告といいます。
不動産所得、事業所得、山林所得がある者 |
青色申告をしようとする年の3月15日まで(1月16日以降に開業する者は開業日から2か月以内)に青色申告承認申請書を税務署に提出していること |
一定の帳簿書類を備え、取引の状況を適正に記録し、7年間保存していること |

青色申告を取りやめようとする者は、その年の翌年3月15日までに「青色申告を取りやめ届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
青色申告の主な特典 |
【青色申告特別控除】 事業所得または不動産所得のある青色申告者が正規の簿記の原則に従い取引を記録した帳簿を備え、貸借対照表、損益計算書を添付した確定申告書をその申告期限までに提出するなどの要件を満たす場合、所得金額から55万円を控除することができる。 ※e-Taxによる申告(電子申告)または電子帳簿保存で65万円の控除 ※申告期限を過ぎた場合は最大10万円の控除となる |
【青色事業専従者給与の必要経費の算入】 青色申告者と生計を一にする親族で事業に専従している者(青色事業専従者)に支払った給与(適正額のみ)を必要経費に算入することができる ※配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除との併用不可 |
【純損失の繰越控除、繰戻還付】 ・純損失が生じた場合、その純損失を翌年以降3年間にわたり各年の所得から控除することができる ・純損失の金額を前年の所得から控除して、前年分の所得税の還付を受けることができる(前年も申告申告をしている場合に限る) |
次回は、個人住民税と個人事業税・消費税について解説します。